中国製のノックダウンハウスと、私たちのハウスは何が違うのか
公開日 2026年10月16日 · 約2分で読めます

この記事の内容
近年、中国製のハウスが、かなり至るところで販売されるようになりました。
同じ「ノックダウンハウス」だと思われていますが、実は違います。
中国製のハウスも、私たちのハウスも「ノックダウン」と呼ばれます。どちらもボルトで組み、ばらして運べるからです。見た目も似ています。そのため、同じものだと思って値段だけで比べる人がほとんどです。
けれども、中身は別の物です。何のために作られたか、どの部分をボルトで組み、どの部分を溶接しているか、どんな材料を使っているか。この違いが、使っていくうちにはっきり出てきます。この記事では、その違いを一つずつ事実で説明します。どちらが良い悪いではありません。動かすか、動かさないかで選ぶものです。
1. 中国製は「運びやすく、安く作る」ための作り
安価な輸入ハウス(主に中国製)は、部材ごとに別の工場で大量に作り、ボルトとナットだけで組みます。ばらしてコンテナにすき間なく詰められるので、輸送費を抑えられます。溶接しないので、屋根のある工場が無くても、どこでも組み立てられます。
据え置きで使うなら、これは合理的で、良いことです。
2. ただし、材料は最低限
- 断熱材は柔らかい EPS(発泡スチロール)。パネルの端はテープで留めてあり、剥がすと崩れます。
- 表面の鉄板は 0.3mm に届かず、指で押すと凹みます。
- 床の鋼材は 1.2mm です。
3. 移動すると、傷んでいく
- 運ぶときの振動でボルトが緩み、一度ねじれると元に戻りません。移すたびに壊れる方向へ進みます。
- 一度組み立てるとばらせず、ばらすと壊れます。
- 横のパネルは外せないので、1枚替えるのに屋根からばらす必要があります。壊れるところが出てきて、時間もかかります。
- 焼き付け塗装なので、傷をパテで直すのも難しく、買い替えることになります。
- 丁寧に運んでも、5〜6現場くらいで使えなくなります。
4. 「溶接すれば同じになるのでは?」
よく聞かれます。少しは良くなります。でも 1.2mm の鋼材は溶接に向かず(普通は 1.6mm 以上)、穴が開きます。溶接か所が多く、薄いのでゆっくり作業する必要があり、手間と費用がかさみます。それでも同じ強度は出にくいのが実際です。
5. 私たちのハウスは、レンタルのために作った
私たちはレンタルを中心に商品を作っているので、構造に気を配って製造しています。
- 屋根と床の土台を溶接で一体にしています。何度運んでもねじれません。
- 骨組み(屋根の土台・柱・床の土台)はボルトで組むので、組み立てたあとも、壊さずにばらせます。
- 壁パネル・窓・ドアは柱の間に差し込むので、あとから位置を変えられ、替えたい場所のパネルだけをその場で交換できます。パネルを外して、鉄骨だけの状態にもできます(詳しくは パネル・窓・ドアを入れ替えられる仕組み)。
- 断熱材は発泡ウレタンを注入。ウレタン自体が硬く、パネルの強さにもなっています。表面の鉄板は 0.3mm のエンボス加工、床の鋼材は 1.6mm と 2mm です。
- レンタルで10年以上使い、引退後も中古として、さらに10〜20年使われます。
- 良いものを回してコストを下げる。廃材を出さないので、リサイクルにもなります。
6. 比べてみると
| 比べる点 | 安価な輸入ハウス(主に中国製) | 私たちのハウス(Work House) |
|---|---|---|
| 組み方 | 全部の部材をボルトとナットで組む | 骨組みはボルト、屋根と床の土台は溶接 |
| 作る場所 | 溶接が無いので、工場が無くても、どこでも組み立てられる | 屋根と床の土台を、工場できちんと溶接する必要がある(設備が要る) |
| 運び方 | ばらしてコンテナにすき間なく詰める | ユニットごと、または分解して運ぶ |
| 断熱材 | EPS。種類にもよるが柔らかく、最低限のもの。端はテープ留め | 発泡ウレタンを注入。ウレタン自体が硬く、パネルの強さにもなる |
| 表面の鉄板 | 0.3mm に届かない。指で押すと凹む | 0.3mm、エンボス加工 |
| 床の鋼材 | 1.2mm(溶接に向かない) | 1.6mm と 2mm |
| 組み立てたあとの分解 | ばらせない(ばらすと壊れる) | もう一度ばらせる。壊れるところが無い |
| 骨組みだけにできるか | できない | パネル・ドア・窓を外して、鉄骨だけにできる |
| パネルの交換 | 屋根からばらすので、壊れるところが出て、時間もかかる | 替えたい場所のパネルだけ、その場で交換できる |
| 窓・ドアの位置 | 変えられない | あとから変えられる |
| 傷の補修 | パテ直しが難しく、買い替えになる | 傷んだパネルだけ替える |
| 移動 | ボルトが緩み、ねじれが戻らない | 溶接の土台でねじれない。何度でも移せる |
| 使える期間 | 5〜6現場くらい | レンタルで10年以上、その後も中古で10〜20年 |
| 買うときの値段 | 安い | 中国製より高い |
| 同じ水準に上げると | 私たちの値段と同じか、それ以上 | ― |
| 向いている使い方 | 据え置き(一度置いたら動かさない) | 何度も動かす・長く使う・レンタル |
7. まとめ:値段は値段
安いものには、安い理由があります。高いものにも、高い理由があります。
中国製のハウスが安いのは、溶接を省き、最低限の材料で、どこでも組み立てられるよう大量に作って運ぶからです。据え置きで使うなら、それで十分です。
私たちのハウスは、屋根と床の土台を工場で溶接しています。溶接には工場の設備が要り、その分の費用がかかります。値段が上がるのは、そのためです。その代わり、何度運んでもねじれず、パネル1枚から直せて、10年以上使えます。
中国製はいま世界中に安く出回っていますが、すべての需要は取れません。移動式ハウスの一番大事な「移動」に向かない構造だからです。
たとえば、中国製のハウスを、私たちのレンタルで使える形に直していったとします。土台を溶接し、床の鋼材を 1.6mm 以上に替え、パネルを発泡ウレタンと 0.3mm のエンボス鉄板に替える。そうすると、どうなるでしょうか。中国の工賃が安くても、値段は私たちより安くはなりません。同じか、それ以上になります。
値段は値段です。買うときの値札だけで比べず、何年、何回動かして使えるかで比べてください。
10万バーツ近い買い物です。ショールームで実物のパネルを手で押し、骨組みの溶接を目で確かめてください(ショールームの場所・連絡先)。関連:パネル・窓・ドアを入れ替えられる仕組み/家に見えるノックダウンハウスの欠点/1平米あたりの建築費の比較







